第一飛行クラブ 広島 グライダー

この記事は、元自衛隊教官で、長年航空自衛隊に勤務され多くのパイロットを育て上げられた澤井さんに、「これまでの経験を後輩パイロットにぜひ教えていただきたい」とお願いし、特別に寄稿していただいたものです。
現在は、退官され第一飛行クラブ広島で趣味として空を楽しんでおられます。
お忙しい中、記事を書いていただきました澤井さんに深く感謝いたします。
(C) First Flying Club HIROSHIMA  2001

第39回 「F.O.D

2010.04.18

アイスランドの火山噴火に関して感じたことを紹介します。

1.F.O.D

 oreign bject amage(異物による航空機の損傷)の意味で、ジェットエンジンに地上のごみや石、金物、鳥などの異物を吸い込むことによってエンジンが損傷することを言います。このためジェット機が地上にいるときは空気吸入口に金網等の障害物よけを装着することになっています。F−86−Fでは空気吸入口の奥にやや目の荒いスクリーンがついていて10000フィート以下ではONにすることになっています。世界中で2万便の飛行機に影響が出ているそうです。もし富士山が噴火したら西風に乗って山梨、神奈川、東京、千葉、茨城等風下にあたる地方の影響は想像を絶するものでしょう。 

2.ジェットエンジン

 ジェットエンジンは20000回転程度で回っていますが一般に考えられるほど頑丈ではなくちょっとした異物でコンプレッサーブレードに傷が着くと回転バランスが崩れて激しい振動が起こります。このような場合はエンジンを交換しますが例えばコンプレッサーブレードの1枚を交換しますと円周の対極にある1枚も必ず交換することになっています。以前、海自鹿屋のP-3Cがたまたま噴火直後の桜島上空を飛んでエンジンを損傷したことがあります。このときは無事着陸しましたがパイロットの頭にも噴煙の中の固形物がジェットエンジンにどのような影響があるかよく理解されていなかったようです。 

3.ウォークダウン

 昭和60年ころ、三沢基地でも毎週土曜日には基地全員が10000フィートの滑走路を歩いて目視で異物を探すことになっていました。ある土曜日、部下の2曹が人員輸送のためライトバンで滑走路東端の北警団担当区域へ往復した後、庁舎へ帰る途中でF-16の駐機エリアでF-16が地上滑走してきたのでこれを除けるため立ち入り禁止エリアの赤い規制線を踏んだという理由でAP(エアホポリス)に停車させられ、地上に伏せるように命令されて罪人扱いされたと言って憤慨していました。決められたことは愚直に守る米軍らしい措置ですがいささかやりすぎの感がします。ウォークダウンはもともと米海軍の空母の甲板で始まったと言われています。日本ではブルーインパルスのクルーが横一線に並んで歩いて各自の飛行機の前で直角に曲がり、機付長と敬礼して飛行機に乗り込むのが儀式になっています。防府のR/W12/30が何かの工事でサブR/W01/19を使ったとき、タクシーウェイは砂地の部分があり、1付近だけPSP(応急用穴開き鉄板)が敷いてありましたが砂地部分でエンジンチェックした飛行機のプロペラには細かい傷がついていました。アマチュア・パイロットの皆さんがローカル空港などに行ったときは気をつけてください。

 

  

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