第一飛行クラブ 広島 グライダー

この記事は、元自衛隊教官で、長年航空自衛隊に勤務され多くのパイロットを育て上げられた澤井さんに、「これまでの経験を後輩パイロットにぜひ教えていただきたい」とお願いし、特別に寄稿していただいたものです。
現在は、退官され第一飛行クラブ広島で趣味として空を楽しんでおられます。
お忙しい中、記事を書いていただきました澤井さんに深く感謝いたします。
(C) First Flying Club HIROSHIMA  2001

第37回 「360度オーバーヘッドアプローチ

2010.02.13

1.360度オーバーヘッドアプローチ

 2機または4機の戦闘機が着陸するとき、編隊を解散して通常のダウンウンドに1機ずつ入ることは考えられませんから戦闘機の着陸法としては360度オーバーヘッドアプローチは当然のことと考えていました。私が体験した浜松でのやり方を紹介します。

例えば浜松のR/W27で着陸するとき、240ノット、1500フィート、右エシェロン(梯形)隊形で進入し、接地点上空でリーダーが左にブレイク、3秒後にそれぞれ2番機、3番機、4番機とブレイクします。ブレイクと同時にパワー85%、スピードブレーキON60度バンク、4G旋回でダウンウィンドにロールアウトして185ノット以下を確認してギャーダウン、フラップダウン、ターンと続きます。ベース160ノット、ファイナル140ノットで1番機は着陸後タクシーウェイに旋回しやすい方のR/Wの右側に接地、2番機はその逆側の方に接地します。以後全機接地が完了したらR/WをクリヤーしてT/W上で隊形を整えてランプまでタクシーするのが通常手順です。

2. 編隊着陸

 天候不良のときなど2機ずつの編隊に分かれてGCA(グラウンドコントロールドアプローチ)2機編隊のまま着陸する方法です。この場合GCAとのコンタクトは当然リーダーが行い、ウィングマンはひたすら隊形維持に専念します。接地はウィングマンが先にならないとリーダーを追い越すこともあり具合が悪いので最後のパワーアイドルはリーダーが指示して接地することになっています。通常編隊内ではなるべく無線を使用しないで手または機体の合図で意思疎通することになっていますがこの「パワーアイドル」だけは無線で知らせます。このやり方でかなりの悪天候でも2機が安全に着陸できます。

3. コンバットピッチ

 戦闘機が戦闘後、燃料、弾薬、酸素等の補給をするため母基地に帰投して着陸するとき  が最も狙われやすいのは多くの戦史が教えています。そのため考えられたのが高速で帰投してすばやく着陸する方法がコンバットピッチです。航空法では飛行場周辺の速度まで規制されていますがコンバットピッチは戦闘時の生き残りのためのものですから規制はありません。例えば4機編隊が高度500フィート、300ノットで接地点付近通過後急速に機首を上げ、なるべく低い高度でギャー、フラップを下ろし小回りして着陸することが基本です。

 

 固定脚で巡航速度90ノットの飛行機では難しいかも知れませんがこの着陸法の意味を理解して練習してみてください。

 

  

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