第一飛行クラブ 広島 グライダー

この記事は、元自衛隊教官で、長年航空自衛隊に勤務され多くのパイロットを育て上げられた澤井さんに、「これまでの経験を後輩パイロットにぜひ教えていただきたい」とお願いし、特別に寄稿していただいたものです。
現在は、退官され第一飛行クラブ広島で趣味として空を楽しんでおられます。
お忙しい中、記事を書いていただきました澤井さんに深く感謝いたします。
(C) First Flying Club HIROSHIMA  2001

第34回 「ポーポイズ

3/23日、成田空港で発生したFEDEX貨物機の事故について思うことがあります。

()ポーボイズ

  いるかが連続的に海面に頭を出す様子にたとえて飛行機が着陸時に上下動を繰り返す様をポーボイズといいます。原因についてはすでに新聞等でウィンドシェアによるものと報道されていますがおそらくそうでしょう。かつて花巻空港で同じMD−11が横風着陸時に翼端が滑走路に接触、炎上するという事故がありました。これを避ける手段は返し操作を始める前にゴーアラウンドするしかないと思います。

()ホイールファースト

  T−6でよく起こったのが主輪が先に接地すると軽い尾部が接地しないまま方向のコントロールができずオフランウェイに至るという事故です。T−6は主輪と尾輪の間隔(ホイールベース)が大きく、主輪の左右の間隔(ホイールトラック)が狭いため方向のコントロールは難しいのが特徴です。また、方向をコントロールすべき尾輪が接地していないといくらラダーを使っても方向のコントロールには役立たないことになります。ラダーの空力的効果は50ノット以上の速度がないと効果はありません。T−6の離陸を見ているとまず軽い尾部が浮き、ついで揚力がつくと全体が浮揚します。着陸時は地上の三点接地姿勢になるくらいまで返し操作をして気持ちとしては尾輪から接地させるようにと指導されました。接地後は「スティックフルバック」という教官の声がかかっていましたが尾輪の操行機能はスティックを中立より後方に引いたとき機械的にラダーペダルと連動するようになっていました。

()フローティング

  T−33は直線翼のため返し操作に応ずる揚力の増加がはっきり現れます。後退翼機では返し操作に応ずる揚力の増加はそれほど顕著で無くどんどん返し操作ができますので返し過ぎて機体の尾部を接地させるということがよく起きていました。T−33で速度がある状態で返しすぎると接地しないままある高度で不安定な飛行を続けることをフローティングと言っていました。低高度、低速度でコントロールの効かない状態でいつまでもフラフラしているのは避けるべきです。

()落 着

  返し操作の高度判定を誤り、速度保持も不十分な状態でフラフラ飛んでいると次にくるのは失速、落着という悲惨な事故です。強風、横風等機体のコントロールが難しい状況のときはフラップは通常の1/2、速度は通常の10%増しというのが通常行われています。ゴーアラウンドするためにもあまり早く速度を落とすと次の動作に移る余裕がなくなります。事故は離着陸の数分間に起こることが多いようです。

  

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