第一飛行クラブ 広島 グライダー

第1回 『台風18号に思う』

平成11年9月24日、広島に台風18号が接近し各地に大きな被害をもたらしたのは未だ記憶に新しい事とおもいます。
広島西飛行場も例外ではなく、強風と水害により機体及びターミナルビルが被害をこうむりました。
強風により繋留ロープが切れ、大潮の時間帯には海水が"Bエプロン"の機体の胴体スレスレまで上がってくる…と言った状況となり、第一航空事務所内にもくるぶしの少し下くらいまで水が入ってきました。
J−AIRや全日警の皆さん、またターミナルの中の全員で入ってきた水を排出し最小限の被害で食い止めはしましたが、既にRUNWAYも閉鎖となっており復旧の見通しも立たない状況となってしまいました。
幸い、昼過ぎには風も止み水位も少しずつ下がりはじめた為、夕方5時にはRUNWAYも無事開放されたのですが、上がってきた海水はターミナルビルのみならず機体にも少なからず問題を残して行きました。
塩水は普通の真水に比べてとても腐食を促進しやすい液体です。
(真水でも少量の塩分は含まれており乾燥すると塩分濃度が増し腐食しやすくなります)それに加えて小型機のタイヤホイールは、軽量で鋳物加工に有利な点から一般に「マグネシウム合金」を使用しており、このマグネシウムもまた金属の中では腐食を起こしやすい性質を持っている為、相互の特性により腐食発生までの期間も短く、早ければ1日2日で腐食が発生することが予想されますので早めの洗浄が必要になります。
第一航空の機体は格納庫に入れていたのですが、結局タイヤ丸々水没してしまい大早急足回りの洗浄を行ないました。
ホイールを開けると中には多量の海水が入っていました。
ホイールに限らず、普段野外に駐機してある機体は雨風にさらされている分だけ普段からの腐食も意外に沢山あるものです。
腐食しやすい箇所は一般に、腐食しやすい材質を使用している所、異種金属の接触があるところ、熱などの影響を受けやすい所、頻繁に応力の掛かる所、等々あげられますが、雨風の影響を受けやすい部分で応力も掛かり金属の摩擦のある部分として動翼ヒンジ等の「可動部」があげられます。
腐食による破損などの可能性は少ないですが、ヒンジ回りに発生する錆などにより動きの阻害を起こしたりするでしょう、又ドアヒンジも同様に考えられるでしょう。
今回のこともありますが加えて日頃から可動部への給油を欠かさないようにして頂きたいと思います。
又、熱の影響を受けやすい箇所と言えばエンジン回り、ブレーキ回り等が考えられます。
例えば、濃い潮風が吹く沖縄地方では高温になるエンジンシリンダーに腐食が発生する事もあるそうです。
少なからず海に近い広島西飛行場でも同様の影響はあると思われます。
カウリングのファスナーもその影響により腐食による固着を起こすことがあります。
その他、胴体内部にもわずかの隙間より水は侵入します。
例えばこの水によりラジオアンテナ取付部のターミナル等が腐食することも少なくありません、アンテナグランド部が腐食することにより送受信が困難になる場合もあります。
このように腐食と言っても数え切れないほどあるのですが、まず腐食箇所の進行防止、腐食の予防策として今回のようなことがあった後は念入りに機体を洗浄しておくと良いでしょう。
また洗剤自体にも腐食性がありますので、洗った後は丹念に水で洗い流すのも忘れないで下さい。  
今回の事で台風の恐ろしさを実感しました。
(以前の台風19号の時はこんな物ではなかったとも聞きましたが…)次回の台風までに何か対策をと第一航空でも話し合っており、西飛行場でもいずれ台風対策に関する会議を持つとのことです。  
皆さんも不意の災害に備えて日ごろの準備を万全にしておきましょう。

クラブニュース 1999.11月号掲載

Web designed by広島のホームページ作成はこちら